「オファーを出しても、内定辞退されてしまう」
採用担当者の方から、そんな採用の悩みを聞くことがあります。理由を聞いてみると、「他社と条件面で負けてしまうんです」という答えが返ってきます。
果たして、本当にそうでしょうか。もし採用担当者の印象が悪かったとして、あなたはそれを辞退理由として正直に伝えるでしょうか。「条件面で比較して他社に決めた」は、もしかしたら、一番体の良い断り文句かもしれません。
実際、こんなことがありました。先日、ある内定辞退者に理由を尋ねたところ、次のような答えが返ってきたのです。
「ビジョンや仕事内容について説明が一切なかった。面接も一方的に根掘り葉掘り聞かれて、品定めされている感じが強く、一緒に働きたいと思えなかった」
採用担当者からすると、ビジョンや仕事内容は求人記事に書いてあるから説明不要だ、と思っているかもしれません。私たちも求職者にアドバイスする際は、「ホームページや求人記事の内容はきちんと読んでおきましょう」と伝えます。ただ、求人側が「候補者は自分たちのことを理解しているはず」を前提にしてよいかは、また別の話です。
相手の状況を想像せず、こちら都合の一方的なコミュニケーションをする過程で、候補者の方は「自分が尊重されていない」という感覚を抱きます。ソーシャルセクターに関心をもつ方々は、社内外の人たちとの関係性や扱いを大切にしている方が多いです。また、ソーシャルセクター側も、本来そのような人に出会いたいと考えていると思います。候補者を惹きつけるのは、直接語りかける場面だけではありません。選考ステップの一つひとつに滲み出るものです。簡単に見直せそうなポイントは、次の2つです。
1つめは、自分たちのことを理解してもらえる機会をつくっているか。
採用説明会の開催、カジュアル面談の実施などです。上述の内定辞退した候補者の応募先は、採用説明会もカジュアル面談もありませんでした。工数的に余裕がないという場合は、採用説明会用の動画を撮影して、候補者の方に見てもらうのでも良いと思います。
2つめは、事務的なコミュニケーションに終始していないか。
ある採用担当者の方は、「弊社の面接を有意義な時間にしてもらいたい。『受けてよかった』と思ってもらいたい」と、選考結果を伝える際に、面接を受けた感想と、採用担当者が感じた伸びしろを丁寧にフィードバックしていました。
ここまで時間や労力を割けるかどうかは、候補者の数や体制にもよります。ただ、姿勢は参考になるはずです。メール文をテンプレート化するにしても、相手に配慮した文面になっているか、いま一度見直してみてはいかがでしょうか。
せっかく応募してくれた方だからこそ、応募した後のステップやコミュニケーションが適切かどうか、ぜひ見直してみてください

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