事業・事例
共創パートナーの声:認定NPO法人カタリバ 吉田愛美さん──2023年度アニュアルレポートより
この記事は、NPO法人ETIC.(エティック)のソーシャルイノベーション事業部が発行するメルマガ「ソーシャルイノベーションセンターNEWS」の2026年01月23日号からの転載です
こんにちは。ETIC.の大竹です。
ETIC.がプログラムと伴走を担当した法政大学多摩キャンパスの学生向けのソーシャルイノベーションプログラム「たまらぼ」が、昨年11月のDemo Dayを一区切りとして今年度の一連のプログラムを終えました。
「たまらぼ」は、講義型の授業のようないわゆる受動的な学びとは異なり、学生自身が自ら問いを立て、行動し、地域や社会とリアルに関わりながら実践することを大切にしたプログラムです。
大学の授業という枠を越えて、自分自身の原体験や違和感を起点に、社会や地域に対しての実際のアクションを計画し、小さく実践に移していきます。
多摩キャンパスには社会課題について学ぶ学部が集まっているという特徴を生かし、自ら社会課題解決に向けて持続的な活動をしようとする学生のアントレプレナーシップ(起業家精神)を育む、その“最初の一歩”の場となりました。

「本気で自ら考え動く」からこその学びや成長がある“実践型”のプログラムとして、たまらぼのプログラムでは、以下の点を大切にしてきました。
参加した学生は、1年生から3年生まで、学部も関心もさまざま。
「何かしてみたい」という想いを持つ人、能登の復興支援や不登校など明確なテーマを持って挑戦する人、既に動いているプロジェクトをさらに進めたい人。
多様な動機が交差する中で、学生たちはキックオフでの「このプロジェクトの先にどんな未来をつくりたいのか」という問いからスタートし、ペルソナ設定、10人以上へのインタビューなどを通じて自らのアイデアを磨き、実践を重ねていきました。
コーディネーターは「教える人」ではなく、見守り、問いかける存在として伴走しました。
6月のキックオフから始まり、複数回のミートアップと実践期間を経て迎えた11月のDemo Day。
ここまでの成果を発表し、ゲスト審査員からフィードバックを頂くDemo Dayでは、それぞれが緊張しながらも、自らの言葉でしっかり伝えきりました。
最優秀賞には、「復興活動におけるニュースタンダードを確立し、日本の第一次産業を守り、継承していく。」をビジョンに掲げたチームが選ばれました。能登でのリアルな活動やヒアリング調査を通じて2度の軌道修正を経た事業アイデアをプレゼンし、既にある類似事例と比較しながら自分たちの強みもアピールしました。
選ばれた団体には活動支援金が贈呈されるため、学生さんにとっては大きなイベントです。一方で、Demo Dayは活動のゴールではなく、あくまで通過点。どのチームもここまでの取り組みの成果や効果だけでなく、これからに向けた想いを言葉にしました。
【開催報告】「チェンジメーカーズラボ in 多摩(たまらぼ)」最終報告会DEMO DAYを開催しました :: 法政大学 法政大学ソーシャル・イノベーションセンター
参加した学生たちは、ミートアップでの講義を聞いて終わるのではなく、そこでの気づきや学びから自ら考え、決め、動き、地域の多様な人たちと実際に関わる経験を重ねました。
学生によっては、もしかしたらこのような実践的な経験は、これまでの大学生活の中では、なかなかない経験の一つだったのかもしれません。
そのような中、自身の意思で社会や地域の中に自らの一歩を踏み出すことで、「自分の関心はどこにあるのか」「誰の、どんな課題に向き合いたいのか」を、自分の言葉と行動で確かめていく時間となりました。
「たまらぼ」では、必ずしも起業をゴールや目的にはしていません。
誰もが起業家になる必要はないし、起業家だけで社会が変わるわけでもありません。大切なのは「自分らしい立場で、社会の一助となる関わり方を見つけること」ではないでしょうか。
起業家、会社員、NPOスタッフ、行政職員、地域の担い手…。どのポジションが上で、どれが下、ということはありません。
多様な関わり方があってこそ、社会へのインパクトもまた多様で広がりのあるものとなります。
このプログラムに参加した学生たちの中に植えられた小さなタネが、これから先、さまざまな形で芽吹いていくことを願っています。
ETIC.は、変革の現場に挑む機会を通して、アントレプレナーシップ(起業家精神)溢れる人材を育み、創造的で活力に溢れ、支え合い、課題が自律的に解決されていく社会・地域の実現を目指しています。
たまらぼは、まさにこのミッションを体現する取り組みの一つでした。
学生たちが自分の意思と行動で社会と向き合ったこの経験が、これからの多様なキャリアや社会との関わり方につながっていくことを、心から期待しています。
引き続きETIC.は、一人ひとりの「やってみたい」が社会とつながる機会をつくり続けていきます!