ETIC.全社合宿レポート ~ 一人ひとりが創造性を発揮できる組織づくりに向けて

(「ETIC.ソーシャルイノベーションセンターNEWS」2025年4月30日号より 転載)

こんにちは。ETIC.の石塚です。ETIC.では、リモート勤務が主流としながらも、年に2回、全スタッフが集まる全社合宿を開催しています。今回の合宿は、4月18日から19日の1泊2日の日程で、葉山町の湘南国際村センターで開催しました。

この合宿は、普段は直接顔をあわせる機会が少ないスタッフ同士が交流し、お互いの情報や経験を共有する貴重な時間です。「ETIC.ってどんなテーマで合宿しているの?」「自主経営組織のETIC.はどんなことをしているの?」と気になる方もいらっしゃるかもしれません。

全てをご紹介することは難しいのですが、合宿での学びの中から、特に皆さんにも役立つのではと感じた「ソース原理」についてお伝えします。

合宿の冒頭ではまず書籍『ソース原理[入門+探求ガイド]』を約50人の参加者全員で読みました。この本は、優れたプロジェクト(特に、創造性のある・前例のない試み)において、どのような共通の原理原則があるか、20年以上の探求の結果を体系化したものです。

「ソース」とは、プロジェクトにおいてリスクを取って最初の一歩を踏み出す人、またはその人に力を与えるエネルギー源となるものです。この「ソース」という考え方を共通言語として最初に共有することで、私たちの活動や組織運営、さらには個々人の働き方に新たな視点を取り入れることを目指しました。

ETIC.の自主経営や組織運営をリードする番野より、「なぜ今この書籍をテーマに選んだのか」という背景について以下のような説明がありました。スライドを通じて示されたのは、「組織」「事業」「社会」そして「私たち一人ひとり」が進化する上で有用なフレームワークを、この書籍が提案してくれるということでした。

とはいっても一人で全部読むのは大変なので、アクティブ・ブック・ダイアローグ®という手法を使いました。この手法は、書籍の重要な内容を効率よく把握できるだけでなく、グループで共有しあうことで理解をさらに深めることができる仕組みです。

今回の合宿を通じて、改めて感じたのが『ソース原理』における「ソース」が持つ価値です。それはつまり、人はソースを意識すると、プロジェクト運営の枠を超えて、個人の人生や組織全体を豊かにする力を発揮できるということです。このエッセンスは、ETIC.に限らず、日々挑戦を続ける団体やプロジェクトに携わるすべての人々にとって、ヒントや刺激になると思います。

参加したスタッフの感想では「ちょうど新メンバーを招き入れたタイミングで引継ぎのマインドセットができてよかった」「ソースの受け渡しにはスキルや技術ではなく信頼があるか。ビジョン・価値観を共有できているかが大事」「外部との連携事業において、働きかけられることに気づきがあった」など、日常の業務にすぐに生かせる気づきのコメントがありました。また、感想を共有しあう中で、互いの視点から新たな発見が産まれ、理解がさらに深まる時間でした。

今回の私たちの合宿の経験を共有することで、少しでも皆さんの団体や活動に役立つヒントをお届けできましたらうれしいです!