ソーシャルセクターの管理職人材を対象とした伴走支援プログラムを開始。第1期に8団体を採択し、初回の研修を実施しました

アポロ財団と連携し、集合研修や1on1サポートを無償で提供。子どもや若者、女性の機会格差の是正にかかわる社会問題に取り組む組織の人材育成、事業運営力の強化を支援します

これまで20年以上にわたってNPOなど社会課題解決を目的とした組織(以下、ソーシャルセクター)の創業・成長を支援してきた特定非営利活動法人エティック(東京都渋谷区)は、アポロ財団、コモンライト合同会社と連携して、ソーシャルセクターの管理職人材を支援します。この度、プログラム第1期(2024年5月〜8月)の支援先として8つの団体を決定したことをお知らせいたします。

プログラム実施の背景

内閣府の調査によると、NPO法人が安定的な経営を行うにあたって抱えている課題として約66%の認証法人が「人材の確保や教育」をトップに挙げています。この傾向は、この10年間変わっていません。

課題の構造的な背景として、特にNPOや社会的事業の拡大成長期において、組織内に育成経験のある人材が少なく、人材を育成する仕組みがないことが挙げられます。また、マネージャーが組織を越えて横のつながりを作る機会も乏しいために、新任のマネージャーが自力で孤独にスキルを磨かなければならない状況もよくみられます。

本プログラムはソーシャルセクターの管理職人材の成長を支援し、安定した事業運営によって社会的インパクトを生み出していくことを通じて、子どもや若者、女性の機会格差の是正に取り組みます。

引用:内閣府「令和5年度特定非営利活動法人に関する実態調査報告書

プログラムの概要

本プログラムのカリキュラムは、NPOや社会的事業の現場で経営者・マネージャー・育成担当として試行錯誤を積んできた実践知をもとにデザインしています。

フレームワークをお伝えするだけでなく、参加者が自らの出すべき成果を言語化し、行動し、失敗してそこから学びを得るまでの一連のサイクルに運営者が伴走することが、最大の特徴です。

■プログラムの到達目標

以下の4つの基礎技術をプログラムで学び、現場でマネジメント業務の実践を積み重ねることを通じて、自分らしいマネジメントを楽しめるようになっていくことを応援します。

・マネージャーとしての成果を言語化し、成果を出すためのアクションを具体化する
・自分なりの判断軸を持ち、迷いのない状態で意思決定をする
・自分がつくるべきチームを具体的にデザインする
・自分がマネジメントを実行しやすい組織環境をつくる

■プログラム内容

第1回集合研修 2024年5月16日(木)13:00〜20:00

・新任マネージャーが置かれている状況を俯瞰する
・マネージャーとしての成果、成果の出し方を言語化する
・よい意思決定をするための自分なりの基準を決める

第2回集合研修 2024年6月13日(木)13:00〜17:00

・チームについての解像度を上げる
・自分がつくりたいチームのイメージを言語化する
・自分がマネージャーとして成果を出すための環境条件を設定する

第3回集合研修 2024年8月1日(木)13:00〜17:00

・自身の組織、事業、環境の課題を整理する
・今後自分がマネージャーとしてどんな成果を出していくかを言語化する
・他の参加者の発表を聴き、フィードバックする

上記に加えて、研修で学んだことを自組織で実践するために必要なフィードバックを受けるための1on1サポート、団体間で相談しあえるつながりを作るためのコミュニティを提供します。

さらに、修了後のさらなる成長をサポートすることを目的として、アポロ財団より事業支援金を提供します(選考あり)。

5月16日に開催された第1回集合研修の様子

第1期参加組織(50音順)

プログラム第1期では、創業経営者が率いる組織から、部門ごとのマネージャーを起点とした組織へと移行していくフェーズにあり、組織内人材育成の仕組みづくりに着手・強化したい団体を2024年3月より公募しました。

選考基準に基づき厳正な審査を行い結果、8団体16名のプログラム参加を決定しました。詳細は以下ページをご覧ください。
選考結果詳細:https://managers.etic.or.jp/selectionresults_1stperiod

特定非営利活動法人ソーシャルデザインワークス
・公式サイト:https://sdws.jp
・活動分野:若者の自立・就労
・所在地:福島県いわき市
・事業内容: 生まれ育ったまちや環境が人生の格差にならない社会を実現する。生きづらさを抱える若者の自立訓練や就労移行を支援する活動拠点である「ソーシャルスクエア」を全国9か所に展開している。

特定非営利活動法人ダイバーシティ工房
・公式サイト:https://www.diversitykobo.org
・活動分野:育児、子どもの学習支援、女性の活躍
・所在地:千葉県市川市
・事業内容: 全ての家庭が安心して暮らせる社会を目指し、子どもと家族を支援。0歳〜の保育園から発達障がいを持つ子供の学習支援、食事つき学習教室、母子・若年女性向けのシェアハウスまで幅広い活動を展開している。

特定非営利活動法人Chance For All
・公式サイト:https://chance-for-all.org
・活動分野:すべてのこどもたちのための居場所とあそび場の運営
・所在地:東京都足立区
・事業内容: 生まれ育った家庭や環境に関わらず、だれもがしあわせに生きていける社会を実現する。学童保育施設を9か所で運営するほか、子どもたちがふらっと立ち寄れる駄菓子屋などの居場所づくり、小学生の放課後に関する調査・研究などを実施。

認定特定非営利活動法人ノーベル
・公式サイト:https://nponobel.jp
・活動分野:育児、女性の活躍
・所在地:大阪府大阪市
・事業内容: 子どもを産んでも当たり前に働ける社会を実現する。大阪エリアで自宅訪問型の病児保育事業を運営。寄付をもとにひとり親家庭やスペシャルニーズのある子どものいる家庭をサポートしている。また、子育てを家庭に閉じず社会全体で行う未来を目指して、担い手の社会的意義向上や各家庭の両立を仕組みづくりからサポートする事業も開始している。

認定特定非営利活動法人ブリッジフォースマイル
・公式サイト:https://www.b4s.jp
・活動分野:子ども・若者の自立支援、相談支援
・所在地:東京都港区
・事業内容: 親を頼れないすべての子どもが笑顔で暮らせる社会を実現する。虐待、貧困、親の病気などの理由で親と暮らせず、児童養護施設や里親家庭などで暮らす子どもたちへ自立支援セミナーや仕事体験プログラムの提供、社会に出た若者へ居場所の提供や相談支援など、多様なアプローチで支援する。

特定非営利活動法人放課後NPOアフタースクール
・公式サイト:https://npoafterschool.org
・活動分野:子どもの体験・教育格差解消
・所在地:東京都文京区
・事業内容: 「放課後はゴールデンタイム」をビジョンに、安全で豊かな放課後を日本全国で実現するため、学校施設を活用した放課後の居場所「アフタースクール」を運営。また、企業や自治体と連携して、全国の放課後の居場所における環境整備や人材育成の支援、体験機会創出に取り組む。

認定特定非営利活動法人Learning for All
・公式サイト:https://learningforall.or.jp
・活動分野:子どもの学習支援
・所在地:東京都新宿区
・事業内容: 「子どもの貧困に、本質的解決を。」をミッションに掲げ、困難を抱える子どもたちへ学習支援や居場所づくりを展開。子どもが自立するまで早期から切れ目なくサポートすることを目指し、地域の様々なステークホルダーと協力をしながら「つながり」「学びの環境」「育まれる環境」を整備し、6歳から18歳の子どもたちの生活圏に必要なすべての支援・機会がそろう『地域協働型子ども包括支援』を実践。

認定特定非営利活動法人ReBit
・公式サイト:https://rebitlgbt.org
・活動分野:若者の自立・就労
・所在地:東京都渋谷区
・事業内容: LGBTQもありのままで学び・働き・暮らせる社会を目指す、認定NPO法人。学校・行政・企業でLGBTQやダイバーシティに関する授業/研修提供やLGBTQのキャリア支援を行う。また、LGBTQなど多様性にフレンドリーな就労移行支援事業所(障害福祉サービス)を東京・大阪で運営。

運営組織について

アポロ・グローバル・マネジメントおよびアポロ財団
アポロ・グローバル・マネジメント(「アポロ」)は、グローバルなオルタナティブ資産運用会社です。また、リタイヤメント・サービス事業であるアテネを通じて、退職資産形成に関するソリューションを提供しています。2023年12月31日現在、アポロの運用資産残高は約6,510億米ドル(約91兆円(注))となっています。アポロは、2022年にアポロ財団を設立し、その資源を活用するとともに従業員を関与させ、プラットフォーム全体による革新的なイニシアチブを通じて地域社会に対し長期的かつポジティブな影響をもたらすことを目指しています。(注)2024年1月1日時点、1ドル = 140円換算

特定非営利活動法人エティック
1993年設立、2000年にNPO法人化し、人口減少、経済縮小、超高齢化社会における都市と地方の関係や、日本や世界の未来を考え、実践し、支え合い、学びを共有し、また次の未来を描く、未来をつくる人たちのコミュニティづくりの活動を推進する認定NPO法人です。日本初の長期実践型インターンシップの事業化や若手社会起業家への創業支援を通じこれまで約12,500名の若者たちが変革・創造の現場に実践者として参加、1,900名を超える起業家を輩出。またその仕組みを全国80地域の連携組織へ広げています。

コモンライト合同会社
「-Be the light for children- 大人たちの挑戦によって、子どもたちが生きる世界が、輝きをましていく未来」を目指し、事業成長期、変革期のHR経営パートナーとして、組織開発および事業開発をサポートしています。営利/非営利を問わず、働く人が事業価値の源泉であるソーシャル/福祉領域を中心に、事業成長のための理想の組織と人をデザインし、既存のメソッドにとらわれず、固有の組織作りに伴走しています。