ソーシャルセクターの採用実態に関する調査報告を発表。

組織規模別、地域別に見る採用活動の違いと課題と成功事例を紹介。社会課題解決の担い手として、活躍する人材の採用において重要視すべきポイントや、人材獲得に向けた効果的な施策を提言する。

NPO 法人ETIC.(エティック、東京都渋谷区)は、ソーシャルセクター(社会課題解決を主たる目的とする事業者)の人材獲得における実態や課題、成功例を明らかにし、セクター全体の採用力強化に貢献することを目的にアンケート調査を実施しました。本調査の結果と分析に加え、人材獲得に成功している団体へのインタビューも行い、報告書としてまとめましたのでご報告いたします。

『ソーシャルセクターの採用実態に関する調査』報告書リンク
https://etic.or.jp/wp-content/uploads/2025/03/saiyo-houkokusyo.pdf

本調査は、ETIC.が2013年から運営する求人サイト「DRIVEキャリア」で10数年にわたり採用支援を行ってきた経験に基づいています。ソーシャルセクターでは、以前から人材獲得が社会的インパクト拡大のボトルネックとなっていました。ソーシャルセクターにおいては、条件やスキルよりも価値観や能力の相性が重視されるため、採用アプローチが通常とは異なります。本調査では、その採用実態や成功事例を共有することで、セクター全体の採用力強化を目指します。

調査の結果、回答した団体の多くが、募集・選考・定着の各フェーズで課題を抱えており、特に募集段階において「応募者と求める人材要件が一致しない」と答える団体が6割を超えていました。

その要因として、ソーシャルセクターの事業性の強化や多角化が進んでいることが挙げられます。背景には、寄付市場の拡大や資金助成制度の充実、企業の社会貢献やソーシャルイノベーションへの関心の高まりもあり、求人の平均年収は上昇傾向にあるものの、同時に人材に求める要件も上がっており、採用や定着に苦労していることが明らかになりました。また、多くの団体が採用活動の資金や人的リソース不足を抱えており、中長期を見据えた採用計画が立てられていない現状もありました。

『ソーシャルセクターの採用実態に関する調査』報告書より

本調査では、回答データの分析に加え、少ないリソースの中で人材獲得・定着の工夫をしている2団体へのインタビューも行い、そのノウハウをまとめています。ETIC.では、今回の結果を広く社会に発信するとともに、NPO採用担当者や各種支援機関の皆さまと連携しながら、セクター全体で採用力を強化するための具体的な施策や改善に取り組んでまいります。

本調査の概要

  • 調査期間 :2024年11月21日〜2024年12月23日
  • 調査対象者 :ソーシャルセクター(※)の採用担当者
     ※社会課題解決を主たる目的とする事業者。営利・非営利どちらの法人格も含む
  • 有効回答数 : 108団体
  • 調査協力 :一般財団法人 日本民間公益活動連携機構(JANPIA)/ 特定非営利活動法人NPOサポートセンター

調査結果の概要

1.採用活動の実態

  • スタッフ職の採用は75%の組織が実施
  • 採用担当実務者については、81%が専任担当者がおらず、他業務と兼務している
  • 採用費用は、約50%の組織が年間10万円未満の一方で、30人以上組織の中では100万円を超える組織も37%存在。しかし予算の大小により、採用に関する課題感の大きさに違いは見られなかった

2.採用活動における課題

3.採用課題の小さな組織の特徴から見えること<考察>

◆調査報告書の全文は、こちらからご覧いただけます。
「ソーシャルセクターの採用実態に関する調査」レポート
https://etic.or.jp/wp-content/uploads/2025/03/saiyo-houkokusyo.pdf


 

NPO法人ETIC.

Move Forward. ETIC.
行動を起こす人に伴走し、つなぎ、ともに「新しい社会」をつくる。

1993年創業、2000年にNPO法人化、2017年に認定NPO法人取得。起業家育成、企業や自治体などの異なるセクター間の共創コーディネート、コーディネーター育成に取り組んでいます。
手がけてきた実践型インターンシップや起業⽀援プログラムへの参加を通して、約14,000名がプログラムに参加し、約2,000名が起業しました。
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