「Futuremakersアワード2023」開催!最優秀賞は誰も取り残さない地域包括サービスをつくる「まごのてサービス」馬場潤希さん

「Futuremakersアワード2023」開催!
最優秀賞は誰も取り残さない地域包括サービスをつくる「まごのてサービス」馬場潤希さん

〜NPO法人ETIC.が企画・実施しスタンダードチャータード財団が支援する地域での社会起業・事業構想を支援するプログラム「ローカルベンチャーラボ2023」〜

NPO法人ETIC.(エティック、東京都渋谷区)は、スタンダードチャータード銀行東京支店(東京都千代田区)と連携して、地域での社会起業に特化した6ヶ月間の起業家育成・事業構想支援プログラム「ローカルベンチャーラボ2023」を実施。2023年12月、前年度に引き続き、「ローカルベンチャーラボ2023」の受講生のうちU-35メンバーを対象に、地域社会における優れた課題解決力や収益性の可能性が感じられる事業に「Futuremakersアワード」を授与することを決定。最終審査では、スタンダードチャータード銀行東京支店内で投票を実施し、最優秀賞を選出しました。

海上自衛官を退職後、生まれ育った東京都から祖父が暮らす佐賀県武雄市に自転車で移住し、高齢者向けの便利業「まごのてサービス」を起業した馬場潤希(ばば・じゅんき)さんが挑戦する、行政と高齢者支援サービス事業者と連携した、一人ひとりにパーソナライズされた新しい地域包括支援サービス構想が最優秀賞を受賞しました。

■「まごのてサービス」事業概要
2021年の創業から、人口約48,000人、高齢化率約31%の佐賀県武雄市全域を対象に、500名(2,000件)以上のご高齢の方々の、70種類以上ものお困りごとのお手伝いをしてきた「まごのてサービス」。専門性の高いエアコンクリーニングから、草刈り、剪定などの庭仕事、電池交換、重量物の運搬、見守りを兼ねた夕飯同席、夜に屋根から降りれなくなった猫の救出、背中への湿布貼りなど、相談内容は本当に“ちょっとした”お困りごとまで含み、多岐に渡ります。

この度受賞した、行政と高齢者支援サービス事業者との連携による、一人ひとりにパーソナライズされた新しい地域包括支援サービス構想は、馬場さんが移住してからの5年間で見えてきたという、武雄市の高齢者福祉の課題がその背景にありました。

介護保険の適用有無によるサービス提供の限界、そこから漏れ落ちたケースは地域包括ケアシステムで対応する仕組みになっていますが、公平性を保つための制約があり、高齢の方々お一人おひとりに合ったサービス提供が困難という現状に、介護資格、福祉住環境コーディネーターの資格があり、民間事業者で柔軟な対応が可能な自分たちだからこそ、この問題を解決できるのではないかと考えたといいます。

現在、武雄市役所のケアマネージャーや、一部介護事業所と試験的に連携を開始。ご高齢者のニーズに対して、事業者側が様々な制約(時間・予算・制度など)で対応できない内容に柔軟に対応していき、事業者側の負担を減らすと同時に、武雄市全体に包括的な高齢者福祉サービスを届けることを目指しています。

まごのてサービス公式ホームページ

■受賞のポイント
「高齢化の進む地域で今まさに求められていて、今後もニーズは増加の一途をたどる事業。全国各地にモデルケースとして広がり、スケールする可能性がある」「現場で動き、実績を積み重ねる中で、地域のリアルな実情の情報をためている。今後はより地域内の他のセクターと連携を図り、これらの情報を活かしながら、まごのてサービスだけでは実現できないことも包括的にサポートできる、地域包括ケアとしての広がりも期待できる」等といった点が評価され、最優秀賞受賞に至りました。

■選考委員のコメント(スタンダードチャータード銀行東京支店在日代表 兼 最高経営責任者 浅井勇介)
昨年に引き続き、「Futuremakersアワード」の選考にあたり、U-35メンバーラボ生の皆さんから地方再生につながる興味深い視点での様々な事業のプレゼンテーションを拝見しました。当グループが取り組む社会課題解決戦略の一環として、若手起業家の皆さんを直接応援できたことを光栄に感じています。今回受賞されました「まごのてサービス」事業をはじめ、ラボ生皆さんのアイディアが今後一層、日本社会の持続的成長につながっていくことを期待しています。

■「ローカルベンチャーラボ」とは
「ローカルベンチャーラボ」は、2017年にスタートした地域での社会起業に特化した6ヶ月間の起業家育成・事業構想支援プログラムです。地域課題を解決するため、先輩起業家をメンターにしたゼミ形式で、様々な年代・活動地域・専門性を持つ同期生と切磋琢磨しながら事業構想を磨いていきます。また、ローカルベンチャーを輩出してきた先進自治体等が連携し、参加者をサポート。プログラム期間中には各地で活躍する専門家や実践者をゲストに招いた特別講演会も開催されます。
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■運営団体など
NPO法人ETIC.がスタンダードチャータード財団からの資金提供を受け(2021年〜2023年)、スタンダードチャータード銀行による経済的包摂を促進し不平等に対処するためのグローバルな取り組み「フューチャーメイカーズ」の一環として、ユースビジネス・インターナショナル、スタンダードチャータード銀行東京支店と連携しながらプログラムを運営してきました。

【スタンダードチャータード財団について】
スタンダードチャータード財団(Standard Chartered Foundation)は、世界における経済格差の縮小を目指し、恵まれない若者、特に少女や視覚障害のある人々を教育、就業支援、起業家支援、に焦点を当てたプログラムを通じて、社会的不平等に取り組む慈善団体です。
2019年に設立されたSCFは、イングランドとウェールズで登録された慈善団体(慈善団体番号1184946)であり、スタンダードチャータード銀行(Standard Chartered Bank)によるFuturemakers(フューチャーメイカーズ)のリードデリバリーパートナーです。
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【スタンダードチャータード銀行について】
スタンダードチャータード銀行は、世界で最もダイナミックな市場を含む、52の拠点を有し、グループの特色である豊かな多様性を通じてビジネスに貢献することを目指しています。ブランドプロミスである「Here for good」は、グループが培ってきた伝統と私たちが重視するバリューを反映しています。スタンダードチャータードPLC は、ロンドン証券取引所、香港証券取引所に上場しています。
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【Futuremakers(フューチャーメイカーズ)について】
スタンダードチャータード銀行による、経済的包摂を促進することで不平等に対処するためのグローバルな取り組みです。不利な立場にある若者、特に女性や視覚障害者が新しいスキルを身につけ、就職や起業のチャンスを高めるための支援を行っています。また、2019年から2023年にかけて、7,500万米ドルの資金調達と寄付を行い、次世代の学び、稼ぎ、成長する力を支援しました。
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【NPO法人ETIC.(エティック)について】
1993年設立。変革の現場に挑む機会を通して、アントレプレナーシップ(自らの意思と行動で、社会に価値を創造していこうとする精神)溢れる人材を育むことを目指しています。これまで約12,500名の若者たちが変革・創造の現場に参画。1,900名以上の起業家を輩出しています。
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【ユースビジネス・インターナショナルについて】
世界中の若者がビジネスを立ち上げ、成長させ、維持することを支援する専門組織のグローバルネットワークです。起業家精神を活用してディーセント・ワーク(働きがいがあり、人間らしく、適正かつ正常な仕事)を創出し、包括的な経済成長を促進するとともに、生活様式を変え、コミュニティを強化しています。
特に不利な立場に置かれている若者に焦点を当て、彼らが困難を克服してビジネス・オーナーとして成功するために必要なスキル、自信、そして人脈を築くための支援を行っています。ビジネスと社会開発の交差点で活動することで、未来を形作る起業家を支援し、現代の最大の課題を解決するために活動し、彼ら自身のためだけでなく、全ての人々のための機会を創出しています。
また、ユースビジネス・インターナショナルは、フューチャーメイカーズの一環としてスタンダードチャータード財団から資金提供を受け、アフリカ、アジア、ヨーロッパの6カ国で33,000人以上の若い起業家に重要な支援を行ってきました。2022年からの2年間は、14,155人の若い起業家に詳細なサポートを提供し、起業や事業強化を希望する30,000人の若者に重要なサポートを提供することを目指します。農村部、女性起業家、障害や視覚障害を持つ経営者、正式な金融支援から排除された人など、従来から不利な立場にある経営者が優先的に支援される予定です。
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