ETIC.Letter2025年5月21日号「休眠預金活用事業「LGBTQ/SOGIEインクルーシブな社会づくり推進事業」として、本テーマに取り組む団体を支援します」を発行しました

休眠預金活用事業
「LGBTQ/SOGIEインクルーシブな社会づくり推進事業」として、
本テーマに取り組む団体を支援します

みなさんこんにちは。ETIC.ソーシャルイノベーション事業部の宮地です。「薫風」や「風薫る5月」といいますが、晴れた日に窓を開けて風と緑を感じぼんやりするのに一番よい季節ですね。たまった仕事が後ろ髪を引っ張るのを振りほどいて、外遊びをしたいこの頃です。緑が芽吹き、育っていくこの季節のように、新たな事業をスタートすることになりました。

ETIC.は認定NPO法人ReBitとともに、一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)より、2024年度休眠預金等活用法に基づく資金分配団体として採択され、「LGBTQ/SOGIEインクルーシブな社会づくり推進事業」を立ち上げ公募を開始しました。詳しくは以下のリリースをご覧ください。

NPO法人ETIC. HP

NPO法人ReBit HP​​​​​

なぜ社会起業家支援を行ってきたETIC.が、LGBTQという領域の支援に挑戦することとしたのか?今回はその思いをお伝えさせてください。

私たちETIC.ソーシャルイノベーション事業部は、ETIC.全体のミッション・ビジョンも踏まえて、①全ての人は起業家精神を持っている、②それぞれにユニークな個性・可能性があり、それが発揮されることを大切にする、③システム全体にアプローチする、という価値観を大事にした事業展開をしてきました。その中でも、LGBTQに関する活動支援はまさにこの価値観を体現する取り組みだと考えています。

まず、公募要領の「趣旨」に私たちの思いを込めておりますので、まずそのままご一読ください。

LGBTQは人口の約3〜10%との調査もあり、どの地域にも共に暮らしています。しかし、学齢期には約7割がいじめを経験し、約9割が家族との関係に困難を抱えています。さらに、就職活動や就労の場面でも約9割(特にトランスジェンダーの約8割)が困難を経験し、医療・福祉の利用時には約8割がハラスメントを受けるなど、人生の各段階で多くの困難に直面しています。そのため、精神障害、生活困窮、孤独・孤立、自死などにおけるハイリスク層です。

2023年には「LGBT理解増進法」が制定され、自治体・企業・学校による取り組みの必要性が明示されました。今後、地域社会におけるさらなる実践と推進が求められています。

本事業では、地域や分野に根ざしてLGBTQの支援や啓発に取り組む団体に対し、包括的な資金的・非資金支援を行うことで、組織基盤および事業実施力の強化を図ります。これにより、国内におけるLGBTQに関するの取り組みや、地域・分野を越えた協働の促進につなげ、すべての人が性のあり方によって取り残されることなく、平等に、そしてありのままで生きられる地域社会の実現を目指します。

 

そのうえで、今回の事業実施にあたり、私が個人的に特に重要だと考えるのは、すべての挑戦・奮闘に光をあて、その可能性や潜在性に火を灯し、「いきいき」「わくわく」「イノベーション」の連鎖を創り出していくこと、だと考えています。そのために必要性は理解されつつ、十分に実行できていない点は3点あると考えています。

①現場の支援者や起業家を直接支え、活動力を高める

社会課題が複雑化する現代において、多様な起業家や支援者の存在は、新たな解決策を生み出し育んでいく上で不可欠です。様々な背景や想い、能力を持った方々がコレクティブに社会課題に取り組んでいくことは、課題が複雑化するほど重要になります。その一方で、このような多様な起業家や支援者は、貴重な活動をしながら取り組む社会課題に関する事業だけでは成立しなかったり、また、社会課題に取り組むとともに団体の経営にも目を向けなくてはなりません。社会課題を優先すればするほど団体や自身を犠牲にすることも多々あると聞いています。

このため本事業では、特にLGBTQの当事者の方々や支援者の方々など現場で奮闘される方々に対し、同じ課題に取り組む仲間として寄り添い、共に行動していくことを大切に進めていきたいと考えています。

②地域ならではの課題解決力を育み、活動を活性化する

全ての人々が個性や可能性を発揮できる社会の実現には、それぞれの地域に根差した活動の活性化が鍵となります。その土地ならではの魅力をもとに地域独自の課題に取り組む起業家や支援者を支援していくことは、社会全体の課題解決に向けた重要な一歩だと考えています。しかし、特に社会課題については東京などの大都市に所在する団体に支援が集中しがちであり、地域で奮闘されている方々に必要な支援や応援が行き届いているとはいい難い状況です。

このため、本事業では地域の方々がLGBTQの当事者の方々を支えることができるよう、その枠組みや取組の活性化を図っていくことを大切にしたいと考えています。

③多様な中間支援組織が連携し、社会全体の活動力を底上げする

社会課題に挑む起業家や地域活動を支えるためには、専門性を持った多様な「中間支援組織」の存在が欠かせません。資金提供、メンタリング、ネットワーク構築など、それぞれの強みを活かした支援が有機的に連携することで、大きな社会的インパクトの創出に貢献しているものと信じています。しかし、エコシステムをより豊かなものにしていくためには、中間支援組織が地域の団体に寄り添い支援することはもちろん、起業家や地域で活動する方々と同じ速度で、時に引っ張っていくほどの意思や想いをもって社会課題に対して活動を進めていくことが重要と考えています。

本事業における今回の公募は、まさにこうした中間支援組織の皆様と共に事業を推進するためのものであり、私たちとの協働によりこうした思いの実現に一歩を踏み出せたらと思っています。

ETIC.は、これまでも社会課題解決に挑む起業家や、より良い社会を目指す方々に伴走してまいりました。今回の休眠預金活用事業を通じて、想いを持った担い手を支えると同時に、多様な中間支援組織が連携し、社会全体でイノベーションを加速させるエコシステムの構築を皆さんと共に進めていきたいと思っています。今後ともETIC.の活動にご理解、ご協力をいただけますと幸いです。想いを持った皆さんとご一緒できることを、心から楽しみにしております。

▶休眠預金活用事業「LGBTQ/SOGIEインクルーシブな社会づくり推進事業」
プログラム詳細はこちら(公募期間6月2日まで)

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