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いま残したい、能登からの学び。
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みんぐるによる「真浦 SATOYAMA GRID」の構想
2024年1月1日、石川県・能登半島で起きた令和6年能登半島地震。その後に発生した令和6年9月能登半島豪雨。甚大な被害に見舞われた能登は、今もなお、支援の手を必要としながらも、能登の皆さんが能登らしい創造的な復興に向けた歩みを続けています。 ETIC.は、2024年1月の発災直後から2025年11月現在まで、被災地域の支援を継続しています。そのなかで、地震発生から1年10カ月が経ち、これまでの活動を振り返って、残すべき学びが見えてきました。そこで、私たちが運営しているWEBマガジン「DRIVE」では、10月から「残したい能登からの学び」と題し、現地での実践者のみなさんへのインタビューの連載をスタートしました。今回は、その第1弾のインタビューを一部ご紹介したいと思います。 水、電気、熱の自給が可能なマイクログリッド集落を能登でつくる──株式会社こみんぐる 林俊伍さんへのインタビュー 林さんは、金沢市出身であり、2016年より株式会社こみんぐるを創業。貸切宿の事業プロデュースなど、宿・イベントの運営を手掛けてきました。2020年に、石川県珠洲市真浦町の集落で空き家だった古民家を購入し、現代集落プロジェクトを始動。株式会社ゲンダイシュウラクを設立し、「限界集落」を「現代集落」に変える「100年後の豊かな暮らし」プロジェクトを実践していらっしゃいます。被災後の取り組みについて、伺いました。(以下、DRIVEより抜粋・編集) ◇◇◇ 僕たちが拠点を置く珠洲市真浦町(まうらまち)の地域では、令和6年9月能登半島豪雨の発生後から5月までの約8カ月間、水が通らないという問題を抱えていました。水を使えるためにはどうなることが必要なのか。水がいまだにこの地域に通っていない理由は何なのかなどを深く考えたとき、自分たちで可能な限り水と電気と熱を自給していく必要があると考えました。 災害が2回続き、特に、令和6年9月能登半島豪雨後は多くの住民が途方に暮れてしまっていました。真浦町に残った世帯はいませんでした。しかし、少しずつ前を向いていき、いろいろな意見を交わしながら協力し合える関係性が育ち、仲間意識も強まったように感じます。約1年経て、「真浦町に戻る」と意思表示する人たちは6、7世帯くらいまで増えてきました。 2025年1月から3月にかけては、電気・水・熱の自給型モデルルーム「SATOYAMA GRID」のDIYを行い完成させました。太陽光パネル、ポータブル電源、薪ストーブ、温水循環パネル暖房、太陽光温水機、水をパッケージ化したモデルルームを「SATOYAMA GRID」モデルとして、来年度以降は能登で5〜10棟まで増やしていく構想も持っています。 その結果、「重要なのはハードではなくソフト」と再認識し、住民がエネルギーをどれだけ使っているのかを自覚しながら生きていくことが大事だという結論が出ました。こういったことを体感できるカードゲームをみんなで手作りして遊んだことも、その後の意志決定や関係性の構築に大きく役立ったと思っています。 真浦以外の集落でも「自分たちでエネルギーを自給したい」と言っているプレイヤーが多数いてくれて、その人たちにノウハウや知恵を共有し合う勉強会を定期的に開いています。 現在、真浦町の集落内では、「SATOYAMA GRID」の実装や勉強会を行う準備を進めています。「SATOYAMA GRID」は、どうすれば水・電気・熱を自分たちで自給できるようになるか、そのノウハウを体系的に伝えるもので、例えば、景観に配慮する、通常時は20%くらいの電力を太陽光に変更するといった体験型の提案ができればと思っています。 まずは、5世帯ほど実践してくれる世帯が生まれてくれたら良いなと思っています。最初に始めてくれた世帯を中心に、まわりの人たちが良い影響を受けて、「自分でもやりたい」と実践してくれる人たちが増えるように、今後もゼロから自分たちで暮らしのエネルギーをつくりたくなる土壌醸成に力を入れたいです。 ◇◇◇ 今後、全8回の連載として、能登での取り組みを実践者の皆さんへインタビュー予定です。ぜひ、このほかの事例もWEBマガジン「DRIVE」で御覧ください。 また、このインタビューからも伝わる通り、能登の復興には、まだまだこれから長い時間がかかります。ETIC.が全国の中間支援組織の皆さんと運営する「災害支援基金プロジェクト」では、11月よりマンスリー寄付の受付をはじめました。ぜひ賛同いただける方は寄付をいただけるとうれしいです。 >>災害支援基金マンスリー寄付の受付はこちら 〜ETIC.(エティック)とは〜 |
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