社員インタビュー
専門性は「枝葉」。泥臭い自己探求の先に見つけた、エティック流「インテル化」の真髄。ETIC.コーディネーターインタビュー──川島 菜穂
ETIC.のスタッフは、どんな思いや考えを持って日々、仕事をしているのでしょうか?
近年、新たに参画したスタッフ3人へのインタビューと、「実際に働き、見えてきたエティックの姿」を語り合ったクロストークから、働く人のリアルな声をお伝えします。

ーーETIC.(以下エティック)には、どんな経緯で入ったのでしょうか?
大学院卒業後は、小さい頃から関心があった国際協力や国際開発の分野でキャリアを積んできました。ちょうどアフリカ駐在中に、自分を振り返ったり、海外から日本を見たりする時間を持ったのですが、そのとき、日本の社会課題に取り組みたいという気持ちが芽生えたんです。
日本に戻って働くにしても、社会課題という社会の根幹への関わり方として、商社やコンサルのような民間企業でガツガツ仕事するより、消費や利益の追及にどっぷり浸からない環境が良いなと思いました。
「それができるのはソーシャルセクターであり地方ではないか」と思って見つけたのが、エティックが運営する、ソーシャルセクターに特化した求人サイト「DRIVEキャリア」です。いくつかの求人紹介を受けるなかで、エティックのローカルイノベーション事業部の求人をご紹介いただいたのが今に至るきっかけになりました。
ーー所属するローカルイノベーション事業部では、どんな業務を担当していますか?
主に地域で新規事業開発や地域との連携に取り組んでいる企業や、地域で新しい価値の創出・仕組みづくりに取り組んでいる方々が地域と関係性を築く接点・機会提供や個別企業の伴走支援などを、担当しています。地域コミュニティにきちんと関わり、地域に還元するにはどうしたらいいか、と悩まれている企業の方の伴走支援を行ってきました。
業務では難しさを感じる一方、やりがいも感じます。現在は、全国で地域に根付いたネットワークを持つ事業者さんと共に、地域や社会を持続可能な形で回していくために、事業者はどのような役割を地域で担えるか、地域を支えるインフラとしてどう既存のリソースを活かせるのか、などを考えています。
地域の持続可能性を支えることで、事業者自身にとっても地域で新しい価値を生み出していく、そんな今後の展開を考える過程は、難易度が高く、高度な取り組みであるものの、おもしろさを感じています。
ーーこれから力を入れたい取り組みはありますか?
2025年度からは新たに、ETIC. Internationalチームで海外の事業家や企業、財団とのパートナーシップ推進を目指した取り組みに関わり始め、ローカルイノベーション事業部以外で活動する機会も増えてきました。
より広い視点を持ってエティックを見ていくことで、新たな社会課題への向き合い方も見えてくるのではないかと思っています。自分の引き出しを増やしつつ、これまでの経験とどう接続できるか、このあたりを深堀りしていきたいですね。
ーー続いて、宅和さんにお聞きします。エティックにはどんな経緯で入ったのでしょうか?
新卒で入社した会社では、人事部で7年間、主に新卒採用と新入社員研修を担当しました。採用担当として就職活動中の学生さんと関わるなかで、内定を取ること自体が目的になってしまっている方や、この会社だと決めて入社したにも関わらず、早期離職してしまう方にたくさん出会って、モヤモヤしたんです。
なぜなら、私自身が新卒での就職が楽しみだったし、初めての仕事にワクワクしていたから。振り返ると、学生時代に参加したエティックのインターンシッププログラムが原体験でした。地元の高知から東京まで出てきて体験した、ベンチャー企業でのインターンは、仕事は大変だったけど、とてもおもしろいと感じたんですよね。就職時の期待感につながっていたのだと思いました。
一企業の人事としてできることに限界を感じ始めた頃、転職活動をスタートします。エティックを検索してちょうど見つけたのが「DRIVEキャリア」でした。
求職者として登録した「DRIVEキャリア」では他団体の求人も紹介してもらいましたが、最終的には「DRIVEキャリア」自体でもスタッフ採用を考えているという話をいただき、自分のやりたいこととの親和性を感じたので、エティックで働くことを決めました。
ーー所属するDRIVEキャリアでの、担当業務を教えてください。
キャリアコーディネーターとして、ソーシャルセクターの企業・団体からの採用相談や、求職者のキャリア相談に乗っています。求職者とのキャリアコーチングでは、雇用条件やキャリアアップといった視点よりも、求職者一人ひとりの「何をしたいか」に寄り添って話を聞きます。ビジョンや取り組みがマッチする企業・団体の求人を紹介できるところに魅力を感じています。
ーー人事業界でキャリアを積んできましたが、宅和さんがこれから力を入れたい取り組みはありますか?
ひとつは、求職者の皆さんがキャリアの選択肢や可能性を広げ、新たなキャリアを見つけられるように、キャリア相談を大切に積み重ねていきたいです。
もうひとつは、わくわくできるキャリアの選択肢や可能性をもっと広げられる機会があればいいなという思いから、今、学生に向けたサービスの検討を始めています。チャンスをもらえてうれしいですし、事業化できるように頑張りたいです。
ーー最後に宮地さんにお聞きします。エティックにはどんな経緯で入ったのでしょうか?
前職の文部科学省では、科学技術や教育を通して、人がいきいきするより良い社会づくりを目指してきました。科学技術が社会にどんな良い影響を与えているかを調査したとき、調べれば調べるほど知らないことが多くて。なかでも、人と人のつながりやネットワークでつくられる芳醇な世界があるんだと知り、官庁の仕事と大きな違いを感じたんです。
人の意思を起点にすることは社会づくり、特に新しい社会づくりには必須ではないかと、違うアプローチで社会づくりに対しコミットしていきたいという思いに至り、エティックに参画しました。
ーー現在は、ソーシャルイノベーション事業部とandBeyondカンパニー事務局に所属されています。それぞれ、どんな業務を担当しているのですか?
1つめの、ソーシャルイノベーション事業部では企業と連携して社会課題に取り組むNPOとの共創プロジェクトの運営を行っています。2つめのandBeyondカンパニー事務局では山梨県が掲げるWISE GOVERNMENT構想の日本全体への展開に向けて、行政の方、社会起業家の方たちと連携した新しい社会づくりの機運もつくっていこうとしています。
参画当初は、社会づくりというものがわからなくなった時期がありました。というのも、エティックでは、一人ひとりの実践を積み重ねていき、雪だるま式にして、新しい社会をつくる手法をとります。一方で、前職での官庁の仕事とは、課題に対するアプローチなどOSが本当に異なるんです。
例えば前職では、物事を進める際には計画を立てたうえで遂行するという順番ですが、エティックでは今起きていることや人が持っていることから展望して先をつくっていくことがあります。両者は逆流するプロセスなので、戸惑いましたね。
切り替わるまでには時間がかかりましたが、一つずつ事業を積み重ねたり、人と話したり、学んだりするなかで少しづつ解像度が上がってきています。
ーーご自身の考え方も大きく変化したのですね。これからどんな取り組みに力を入れたいですか?
今後は、自分の価値観を大切にし、社会づくりのビジョンをしっかり描いたうえで一つひとつのプロジェクトに取り組み、続けていきたいと思っています。人と人との出会いが生まれる場をつくり、何かを生み出せる取り組みを、着実に積み重ねていきたいです。いずれは、前職とエティックの良いところどりのことができたらいいですね。
ーーここからは、座談会形式で皆さんとお話ししていきます。まず、エティックという団体は、皆さんからどう見えているのでしょうか?
宅和:うまく言葉にしづらいですが、行動を起こす人の応援団だと思っています。コーディネートする、相談を受ける、イベントを開催するなど、アプローチの仕方は違えど、やりたいことに向かってアクションを起こす人をさまざまな形で応援するような存在ですね。
宮地:世の中には、新しい価値の創出や社会課題の解決に対して、既存のシステムの思考錯誤とは異なる、一見奇抜な人たちがいます。ただ、熱意と挑戦を持っているイノベーティブな人たちでもあります。エティックはそんな人たちと共に行動する存在なのかなと思いますね。
平野:そういうアクションを起こす人たちを、エティックが陽のあたるところへどんどん引っ張り出すイメージに近いですね。エティックと関わることでエティック内のエコシステムに連結されていきますが、エティックの中に引き込むというより、その人たちに寄り添いながら、陽のあたるところへ誘い出しているのだと思います。

ーーなるほど、わかりやすい例えですね。続いての質問です。エティックは一人ひとりが叶えたいことを大切にする組織なので、入社メンバーには、「何をやってほしいか」を伝えるより、「何をしたいか」を聞くことが多くなります。それに対して、皆さんはどう感じていますか?
宅和:前職の民間企業では、私は会社のミッションを達成するための存在でしたが、エティックは、自分がやりたいことを実現するために所属する場所です。仕事は着実に実施しなければいけない、間違いはしてはいけない、といった前職での世界観をいまだにひきずることもありますが、ここでは自ら提案し、事業として形にしていきたいと思っています。
平野:正直、当初は何をしたいか聞かれることがつらかったですね。ですが、国際協力の経験が活かせる副業プロジェクトへ参加してみたいと言ったとき、そのチャレンジをものすごく応援してくれる雰囲気がありました。
それだけでなく、プロジェクト期間の終了後も継続した関わりがあると知ったスタッフの方々が、いいねと後押ししてくれて、応援フルな場だなと思ったんです。何をしたいかに答えられないもどかしさはまだ抱えていますが、「やってみたい!」という気持ちを否定されない安心感があります。
宮地:そうですね。それぞれが何をしたくて、どんな考えを持っているのか。スタッフが持つ、人への興味・関心の高さは、一緒になって何かをやりたい気持ちの表れであり、時に厳しい問いかけもありますが、良し悪しをジャッジするものではないと思います。
宅和:民間企業で働いていたときは失敗したらいけない雰囲気があった一方、エティックは、もちろん失敗を良しとするわけではないですが、失敗を恐れずに常に最善を尽くしている印象があります。目指す方向へ近づけるよう取り組みをブラッシュアップするスタンスがとても強いと思うんです。
ただ、失敗を恐れず挑戦できるという環境は優しく聞こえますが、何も考えずに乗っかっていたら正すこともできなくなります。しっかり自分で考えるようにと言われているのだと感じていて、時折、身が引き締まるタイミングがやってきます(笑)。
宮地:全員が立ち向かわなければいけない危機があると、スタッフがぐわっと集まってきて、手を上げた人たちで自然とチームが編成されるんです。すごいなと思います。オフィスの上層階から漏水したときには、当然の如く、みんなが対応する。「いいものをつくりあげたいんだ」という思いを、それぞれが各方面で発しコレクティブに形にしているのだと感じます。
平野さん、宅和さん、宮地さん、お話聞かせていただき、ありがとうございました。
ETIC.では、スタッフ一人ひとりが自ら実現したいテーマ・アジェンダを持ち、それを事業として推進しています。それにより、各人がアントレプレナーシップを発揮し、社会へのインパクトを最大化することを志向しています。各テーマに関心のある企業・団体・個人の方は、ぜひお問い合わせください。
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<プロフィール>
平野 歩/ローカルイノベーション事業部
東京都出身(出生地は栃木県)。在学中は、東南アジアを中心としたバックパッキングや東日本大震災後の宮城県南三陸町でのボランティア活動等に明け暮れる。大学卒業後イギリスの大学院にて国際開発を学び、以降国際協力/国際開発の仕事に従事。太平洋島嶼国における政府開発援助事業や緊急人道支援事業等を担当。また南部アフリカに位置するマラウイ共和国に通算4年間駐在。2024年4月よりETIC.に参画。ローカルイノベーション事業部にて、企業×地域共創ラボ等を担当。
宅和 華月/ DRIVEキャリア
高知県出身。大学時代にETIC.と高知大学で企画したインターンシッププログラムを通してコンサルティング会社でのインターンを経験。その後、民間企業に就職し、マーケティング・コンサルティング商品の企画提案業務、新卒採用・新入社員研修業務などに従事。2024年5月よりETIC.に参画。DRIVEキャリアにて、キャリアコーディネート業務を担当。
宮地 俊一/ソーシャルイノベーション事業部/andBeyondカンパニー事務局
東京工業大学大学院修士課程修了後、文部科学省に入省。科学技術イノベーション政策や教育行政、規制改革等に従事し、2024年より現職。現在はソーシャルイノベーション事業部およびand Beyond カンパニー事務局にて、産学官民の境界を越えた「社会システム構築のR&D」とそのための「共創サンドボックスの設計」を指向し、人の熱意や知恵を起点とした「越境・共創」プロジェクトの構想から社会実装までを担う。