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「選考は“アトラクト”の場」──候補者の志望意欲を高める選考設計

求職者の方から「選考を受けていて、この組織で働くイメージの解像度が上がり切らない」という相談を受けることがあります。興味を持って応募したにもかかわらず、選考が進むほどイメージが掴めなくなる——これは組織側にとっても本来望まない状態です。

では、なぜこうしたギャップが生まれるのでしょうか。

DRIVEキャリアにご相談に来る求職者の皆さんは、社会課題の解決や理想の未来の実現に向けて強い想いを持っています。単に仕事を探しているのではなく、「自分の力で貢献できる場所」「やりがいを感じながら働ける環境」を真剣に求めています。

だからこそ、応募する時点で興味を持っていても、選考過程でその未来像がつかめなければ、候補者の関心や志望意欲は自然と低下してしまいます。つまり、選考過程のコミュニケーション次第で候補者の温度感は上がりも下がりもするということです。

このようなギャップを無くすためには、選考を一方的に評価する場としてではなく、組織と個人が“お互いに”合うかどうかを見極めていくプロセスとして設計する必要があります。

組織側が一方的に聞きたいことを聞く面接になってしまうと、関係性が深まらないだけでなく、候補者は組織についての理解が進まず、「この組織で働く自分の姿がイメージできない」という不安を抱えてしまいます。

そこで、ぜひお勧めしたいのは、選考における最初のコミュニケーションとなる初回面接で、組織の丁寧な自己開示をすること。ビジョンやミッション、これからの展望、そして現在の課題など、候補者が未来を想像できるだけの情報を提供することが、その先の選考でも相互理解を育む基盤になります。

形式的な会社説明ではなく、事業や経営の視点を含めて語ることで、候補者との対話は一段深まり、「組織の未来を一緒に考える時間」へと変わります。

理想的なのは、候補者と面接者の発話割合が5:5を目指すこと。組織が語り、候補者も語る。その往復の中で、候補者の視座・価値観・意思決定の軸も自然と見えてきます。

選考をアトラクトの場として捉え直す。

候補者は「選考対象者」である以前に、組織の活動や価値観に何らかの関心や想いを寄せてくれた関係人口です。選考は単なる見極めの工程から、選考後の合否に関わらず「この組織がやっぱり好きだなぁ」と候補者の志望意欲と愛着を高めるプロセスであることが、むしろ未来を共に描き、長く活躍してくれる仲間との出会いを生み出すのだと思います。

※本記事は2026年1月21日配信の『人材獲得 / 組織づくりメルマガ』の内容を転記したものです。メルマガの登録はこちらからお願いいたします。